<きのこ図鑑>

ベッコウタケ

Perenniporia fraxinea
ベッコウタケ発生状況
2011年7月26日 東京都渋谷区
寄主はケヤキ。

ベッコウタケの子実体
2011年7月26日 東京都渋谷区
寄主はケヤキ。

ベッコウタケの傘表
2023年7月14日 横浜市青葉区
傘表


ベッコウタケの傘裏
2023年7月14日 横浜市青葉区
傘裏


ベッコウタケの傘裏
2023年7月14日
管孔


ベッコウタケの傘断面
2023年7月14日
傘断面

分類

タマチョレイタケ目タマチョレイタケ科ウスキアナタケ属

生態

・子実体は一年生。発生初期はこぶ状で、成長すると座生で無柄。重生することもある。
・5月くらいから発生する。
・発生する樹種はサクラ類やケヤキ、ニセアカシア、エンジュ、ユリノキ、イチョウなどの根元付近。都市環境で発生しやすい。
・地際部や根に傷ついた傷口から侵入するといわれる。
・分布は日本全国。
・根株心材腐朽菌。白色腐朽菌。
・各地で倒木被害や枯死、樹勢低下の原因となり、最も重要な病害のひとつとされている。
倒木した根株(コナラ)(横浜市緑区。2024/1/8)

形態(肉眼的)

・出始めは卵黄色のこぶ状で、成長すると傘は5~20cm、厚みは0.5~3cm内外に育ち、黄色から褐色~黒色となる。傘表周辺部は淡色で不明瞭な環紋・環溝がある。
・管孔は円形。材木色で傘肉と同系色でやや濃い。5~6個/mm。
ベッコウタケ担子胞子
2023年7月16日
担子胞子

ベッコウタケの骨格菌糸
2023年7月16日
骨格菌糸と担子胞子。偽アミロイド。

ベッコウタケ厚壁胞子
2023年7月16日
傘表皮内の厚壁胞子

ベッコウタケの菌糸と厚壁胞子
2009年10月
腐朽材中の菌糸と厚壁胞子
寄主はエンジュ。

形態(顕微鏡的)

・2菌糸型。原菌糸は無色で、かすがい連結がある。骨格菌糸はデキストリノイドで、巾5-7μmの厚膜のものと、巾2-2.5μmで分岐する形のものが共存する。
・担子胞子は5ー7μm×4.5ー5.5μm。一端が尖る類球形で無色。デキストリノイド。
・厚壁胞子は傘肉や腐朽材に多数形成され、径10μm内外。類球形~広楕円形。

備考

・デキストリノイドは偽アミロイドとも呼ばれ、メルツァー液という試薬で赤褐色に染まる反応のこと。
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