アジサイ 紫陽花

Hydrangea macrophylla Seringe var.Otaksa Makino

雨が似合う珠玉の花潅木 indexへもどる
全景
2005年7月9日 東京都調布市 2005年7月9日
東京都調布市
2005年7月
東京都調布市
紅葉 冬姿
準備中
2005年12月
福島県岩代町
分 類
低木
区 分 落葉広葉樹
科属 アジサイ(旧ユキノシタ科)アジサイ属
別名と外国名 別名:シチヘンゲ/英名:Japanese hydrangea/中国名:天麻裏花など
自生地(原産地) 園芸品種
樹 高 1.5~2m
開花期と結実期 花:5~8月
特 性 日照は陽樹から中庸樹/生長は早い/湿地に強い/耐潮性はやや強い/耐煙性は強い/移植容易/萌芽力あり
植栽域 北海道南部~九州
美 性 落葉広葉樹の低木で樹形は多幹、株立状。葉はやや大形で対生、厚質で広卵形、光沢のある明緑色。花は初夏に頂生、全部飾り花でテマリ状の花となる。花色は紫系、白系、淡紫系など様々。花色は時がたつとともに変化する。こんもりとしたボリューム感のある樹形であるため、広い場所に植えるのが望ましい。
用 途 公園樹、庭園樹、切花、鉢植
管 理 ・剪定は花後すぐ(遅くとも7月末まで)に行なう。地上から3~4節ほどのところ花の下の葉の2節目以下の芽があるところを剪定する。
・7月に古枝や込み合った枝を剪定すると、花つきがよくなる。
・西日を避けて、保水性と透水性が良好で、腐植質を多く含む肥沃な土壌が適する。乾燥に弱いため、干天が続く場合は十分な水やりをする。冬の寒乾風を嫌う。
・苗木や強剪定時は施肥が望ましい。寒肥として有機質肥料、花後の化成肥料の追肥。(青花種はマグネシウム(苦土)やリン酸が多いものを施すと、花が変色しやすいため、NPKが同比率のものを使用する。)
・用土は、青花種は鹿沼土を主に、赤玉土とピートモスを3割ほど混ぜたもの。赤花と白花種は赤玉土を主に、腐葉土を2割ほど混ぜたものが適するとされる。
・植替え適期は2月下旬から3月。花後すぐも可能。

・病害:モザイク病、うどんこ病、斑点病、炭そ病、葉化病、さび病など
・虫害:アオバハゴロモ、テッポウムシ、コウモリガ、アブラムシ類、カイガラムシ類、ハダニ類、アジサイハバチ、アザミウマ類など
類似種と品種

類似種:ガクアジサイヤマアジサイ/園芸種:セイヨウアジサイ

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文 化

・ガクアジサイの変種とされる。
・奈良時代には今日のアジサイが成立したと考えられる。
・花言葉:「自慢家・高慢」(英)、「冷たい美しさ」(仏)、「移り気」など。
・集まって咲く花のさまから、家族の結びつきを象徴する木とされるほか、病気除け、金運向上の縁起もある。
・花は煎じて飲むと、解熱作用があるとされる。
・毒性があり、人や家畜が食べると中毒を起こし、死亡することもある。
・材は堅く緻密。楊枝、木釘、寄木細工などに利用される。(特にタマアジサイ、ヤバズアジサイ、ノリウツギなど)
・江戸後期(1820年代)、日本に滞在したシーボルトが寵愛した長崎の遊女「お滝さん」(楠本滝)が学名の由来になっている。
・奈良時代には栽培されていたとされ、鎌倉時代から観賞用として植えられ、江戸時代になると盛んに用いられた。
・長崎市、習志野市、相模原市などの市の花。

メ モ

・雌雄同株
・土壌のpHの指標木となり、酸性では青色、アルカリ性で赤色がよく発色する。花の色には、土壌のpHやアルミニウムイオン量が影響する。
・繁殖は挿木(適期は7~8月上)、株分、取木(容易)。

事例写真

群植(修善寺虹の郷。2006/7/16)
群植(港北ニュータウン。2008/6/15)

冬芽(神奈川県平塚市。2011/1/23)

・名所(自生地):城ケ崎海岸(静岡県伊東市。2022/6/18。)
・名所:ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン あじさい苑(静岡県伊東市。2022/6/18。)
・名所:下田公園
・名所:みちのくアジサイ園
・名所:相模原北公園
など。

備 考  
参考文献
「日本のアジサイ図鑑」川原田邦彦・三上恒夫・若林芳樹,柏書房
「趣味の園芸栽培12ヶ月 ハイドランジア紫陽花」花岡喜重,NHK出版
「アジサイ百科」,川島榮生,アボック社,2010
「あじさいを楽しむ」,藤井清監修,栃の葉書房,2009
「よくわかる栽培12か月アジサイ」川原田邦彦,日本放送出版協会,2007
「日本のあじさい」,山本武臣,一関観光協会,2008 ほか
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