クスノキ 楠/樟

Cinnamomum Camphora

日本最大の木の圧倒的存在感 indexへもどる
全景

2021年9月19日 東京都目黒区ー

2015年5月22日
横浜市港南区

2005年4月
東京都調布市
樹皮

2004年12月
神奈川県横浜市

2005年4月3日
東京都調布市
分 類
高木
区 分 常緑広葉樹
科属 クスノキ科ニッケイ属
別名と外国名 別名:クス、ホングス/英名:Camphor Laurel(tree)
自生地(原産地) 本州、四国、九州の暖地(本来の自生があるか疑問とされている)、台湾台湾、中国、ベトナム
樹 高 5~40m。幹回りは24mにも達する。
開花期と結実期 花:5~6月/実:10~11月
特 性 日照は中庸/生長は早い/耐潮性は強い/耐煙性は強い/耐寒性はやや弱い/耐暑性は強い
植栽域 福井、茨城県以南
美 性 成木では主幹が立たず幹は分岐して広がり、たくましい。葉には光沢があり、他の常緑樹に比べて葉色が明るく、全体の印象も爽やかで優美。特に新緑の時は古い葉を大部分落とし(落葉が多い)、いっきに赤みを帯びた新緑に変わるので、華やいだ明るさが感じられる。
用 途 公園樹、街路樹、ご神木、記念樹
管 理 ・比較的狭いところでは3~4年に1度枝ぬきをする。
・強風や雪に弱く、太枝が折れたり、樹形が乱れる。
・秋からの移植は避けたい。

・病害:環紋葉枯病、炭そ病、白紋羽病、ビロード病、材質腐朽病(コフキタケスルメタケ)など。
・虫害:クスサン、イラガ類、カイガラムシ類、クストガリキジラミ、クスクダアザミウマなど。
・病虫害は比較的少ない。近年、突然葉が枯れて、枯死する病害が報告されている。「ポックリ病」
類似種と品種 類似種:タブノキシロダモヤブニッケイなど/園芸種:`レッドモンロー'(赤芽)
文 化

・名の由来は、樟脳の匂いを「臭し(くすし)」ということからという説がある。
・日本最大の木は本種で、幹回りにおいて上位10本のうち8本がクスノキ。他にも各地に天然記念物指定の巨樹が多く、巨樹の代表種。
・材は赤褐色で、建築材、船舶材、彫刻材、家具材などに使われる。飛鳥時代の仏像はクスノキで作られたものが多い。木魚の素材としては最高のものである。
・材や根からは防虫剤の樟脳が取れ、長く利用されてきた。

メ モ ・春先の新芽には、緑色や赤みを帯びた個体がそれぞれ見られる。中国産のものでは自生種に比べ、さらに鮮やかな赤芽となる。
・映画「となりのトトロ」に登場したトトロは、クスノキの精霊として描かれている。
・アオスジアゲハ幼虫の食樹木であり、ムクドリやヒヨドリといった鳥も好んで果実を食べる。
・葉の三行脈の交差するところには「ダニ部屋」というコブが見られ、フシダニの一種が棲む。
・葉の寿命は一年。
事例写真 新芽(2005年4月14日 千葉県千葉市幕張メッセ)
街路樹(2009年9月 東京都江東区豊洲)
単木(2005年4月16日 埼玉県川口市グリーンセンター

・巨樹名木:「蒲生の大クス」(鹿児島県蒲生町。日本最大の木)
・巨樹名木:「阿豆佐和気神社の大クス」(静岡県熱海市)
・巨樹名木:「葛見神社の大クス」(静岡県伊東市)
・巨樹名木:「加茂の大クス」(徳島県東みよし町)
・巨樹名木:「太宰府の大クス」(福岡県太宰府市)
備 考  
参考文献
「樹に咲く花離弁花①」山と渓谷社

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