モウソウチク 孟宗竹

Phyllostachys pubescens

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全景

2023年4月19日 栃木県宇都宮市
若竹の杜 若山農場
準備中
2006年3月
東京都調布市

2009年4月29日
神奈川県横浜市

2005年7月
東京都北区
分 類
特殊
区 分
常緑広葉樹
科属 イネ科マダケ属
別名と外国名 別名:ワセダケ、江南竹(コウナンチク)、カラタケ/英名:Moso bamboo
自生地(原産地) 中国江南地方
樹 高 10~20m
開花期と結実期 出筍:4~5月
特 性 日照は陽地/耐水性は弱い/生長は速い
植栽域 北海道南部~九州
美 性 日本最大種のタケ。梢端は枝葉の重みでうな垂れる。稈の径は25cmに達する。反して、葉は長さ6~10cmとマダケより一回り小さく、繊細な風情がある。観賞用のタケの代表種であり、若い芽は筍として食用とされる。各地で竹林として景観を構成している。古くなると稈は黄化する。
用 途 庭園樹、用材、食用
管 理 ・緑色の稈を楽しむためには西日が当たらない環境を選ぶ。
・水切れは葉を落とすが、水はけが悪く滞水しても根腐れを起こし、衰弱する。
・芯止め、枝切り、間引きなどを目的に応じて適期に行なう。

・病害:竹てんぐす病、すす病、黒穂病、赤衣病、さび病など
・虫害:タケノホソクロバ、ベニカミキリ、タケスゴモリハダニ、カイガラムシ類など
類似種と品種 類似種:マダケ/品種:キンメイモウソウキッコウチクヒメアケボノモウソウチク(黄稈、矮性)
文 化

・安貞元年(1227年)に京都府長岡京市の寂照院に、道元禅師が持ち帰り、日本で初めてモウソウチクを植えたという伝承もあり、当地に発祥の地の石碑があるほか、境内の竹林は府の天然記念物となっている。
・元文元年(1736年)に薩摩藩主が琉球から取り寄せ、鹿児島の磯庭園に植えたのが最初とされ、そこから全国へ広がったとされる。そのため、モウソウチク普及の始まりと言える。

・名は、中国の故事により、母親のために筍を採った孟宗という孝行息子にちなんだもの。
・竹材は、あらゆる道具に加工され、日本人の暮らしに欠かせないものであったが、近年プラスチック製品により、その地位は奪われている。
・日本三大有用竹(モウソウチク、マダケ、ハチク)のひとつ。
・一般に小売されるタケノコは、ほとんどが本種。
・タケノコ産地では、「モウソウチク林の密度は傘をさして歩けるくらいが良い」とよく言われる。
・タケノコの発生時期は4~5月で、ハチク(5~6月)、マダケ(6~7月)に先立って旬を迎える。

・竹林は日本の里山の代表的風景であったが、利用価値が少なくなり、放置竹林が各地に増え、様々な問題(生物多様性の劣化、里山荒廃化など)となっている。

メ モ ・造園利用では、地下茎の広がりを抑えるため、仕切り板を深さ1m程度の深さまで、まわりに埋め込んで対処することが多い。板の上をまたぐ地下茎については、その都度切り取る。

・節の環は1個であり、タケ類の中でモウソウチクのみがもつ特徴。
・日本最大のモウソウチクでは、稈周りが61cmという記録がある。(平均胸高直径は12cmほど。)
・67年周期で開花が見られるとされる(67年説)。
・竹の成長スピードについては、1日で1.2mという記録があり、イギリスの自然史博物館にその旨の展示がある。
・都市空間への植栽としては、矮性品種であるヒメアケボノモウソウの事例が増えている。
事例写真

事例1(横浜国際プール林浴の庭。2008/6/15)
事例2(東京都北区役所。2005/7)
タケノコの断面標本(茨城県自然博物館「竹展」。2009/5)
地下茎の標本(茨城県自然博物館「竹展」。2009/5)
全景(神代植物公園。2006/3)
ヒメアケボノモウソウの事例(東京ミッドタウン。2007/12)

備 考  
参考文献
「育てて楽しむタケ・ササ 手入れのコツ」内村悦三著
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