バラの系統は交配親によって、多くの系統に分けられている。こちらを参照。

また、つるバラは、枝の伸び方で分類すると、クライミングローズ（Cl）とランブラーローズ（R）、シュラブローズ(S)に分けられ、そのうちクライミングローズはモダンローズに属し、ハイブリッド・ティー系統、フロリバンダ系統、さらにラージフラワード・クライマー系統、クライミング・ミニチュアに分けられる。

50音総索引はこちら。

◇クライミング・ハイブリッド・ティー(ClHT)

ハイブリッド・ティー系統のバラが枝変わりでつる性を獲得したバラの品種。四季咲き性は弱くなり、春のみの一季咲きになっているものが多い。

アルティシモ R. ‘Altissimo’

特徴：花色は赤色。一重咲き。

樹高：約3ｍまで

花期：春以降。繰り返し咲き

樹形：ブッシュ

その他：
・大輪(約8cm)。
・香りは微香。
・フランスのG. Delbard作出(1966年)。

・事例写真　全景(福岡市動植物園。2022/5/7)

アンクル・ウォルター R. ‘Uncle Walter’

特徴：花色は朱赤色。八重咲き。剣弁高芯咲き。

樹高：約4ｍまで

花期：5～11月

樹形：つる

その他：
・大輪(約10cm)。
・香りは微香。強健。
・大輪赤バラの剣弁高芯咲きで、日本で特に良く伸びるつるバラ。
・イギリスのSamuel Darragh McGredy IV氏作出(1963年)。

・事例写真　全景(福岡市動植物園。2022/5/7)

トラディション'95 R. ‘Tradition '95’

特徴：花色は赤色。丸弁平咲き

樹高：約3ｍまで

花期：春以降も秋まで適時開花する

樹形：シュラブ

その他：
・四季咲き性。中輪(約6cm)多花性。
・香りは微香　
・ドイツのコルデス社作出(1995年)。

◇クライミング・フロリバンダ(CLF)

フロリバンダ系のバラが枝変わりでつる性を獲得したバラの品種。四季咲き性は弱くなり、春のみの一季咲きになっているものが多い。

アンジェラ R. ‘Angela’

特徴：花色は濃いピンク色から薄いピンク色。半八重咲き。丸弁カップ咲き。

樹高：約3ｍまで

花期：春以降も秋まで適時開花する

樹形：シュラブ

その他：
・四季咲き性。中輪(約6cm)多花性。強健。
・香りは微香　フルーツ系。
・黒星病とうどんこ病に罹りにくい。
・ドイツのコルデス社作出(1984年)。
・ADR受賞(1982年)。

・事例写真　全景(花菜ｶﾞｰﾃﾞﾝ。2014/5/18)

◇クライミング・ミニチュア(CLMin)

ミニチュア系統のバラが枝変わりでつる性を獲得したバラの品種。

ベビー・ゼブラ R. ‘Baby Zebra’

特徴：花色は白地にローズ色の絞り。半剣弁高芯咲き。

樹高：約1.5ｍまで

花期：－

樹形：－

その他：
・四季咲き性。中輪。強健。
・香りは中香。
・河合伸志氏作出(1995年)。

◇ラージフラワード・クライマー(LCL)

ランブラー型のつるバラに、ハイブリッド・ティー系統やフロリバンダ系統の品種を交配して作り出された系統。

ゴールデンリバー R. ‘Golden River’

特徴：花色は山吹色～クリーム色。丸弁抱え咲き。

系統：ラージフラワード・クライマー(LCL)

樹高：約3ｍまで

花期：5月

樹形：－

その他：
・一季咲き性。中輪(約7cm)。強健。
・香りは微香。
・鈴木省三氏作出(1980年)。

スパニッシュ・ビューティ R. ‘Spanish Beauty’

特徴：花色はピンク色。波状半八重咲き。

系統：ラージフラワード・クライマー(LCL)

樹高：約4.0ｍまで

花期：－

樹形：つる性

その他：
・一季咲き性。早咲き。大輪(約13cm)。多花性。
・別名：マダム・グロゴワール・シュターヘリン(Madame Grégoire Staechelin)。
・香りは強香。ダマスク香。
・20世紀を代表するつるバラとされる。
・スペインのPere Dot氏作出(1929年)。

・参考写真　全景(花フェスタ記念公園。2019/5/19)

ニュー・ドーン R. ‘New Dawn’

特徴：花色はシルバーピンク色。半八重のカップ咲き。房咲き。

系統：ラージフラワード・クライマー(LCL)

樹高：約4ｍまで

花期：－

樹形：－

その他：
・一季咲き性(充実した株は秋まで返り咲きしやすい）。大輪(約8cm)多花性。花もちが良い。遅咲き。
・香りは中香。ティー香。
・強健。うどん粉病は普通、黒点病は強い。 耐寒性は強い。耐陰性がある。成長は旺盛。
・アメリカのSomerset Rose Nursery社が作出(1930年)。
・世界バラ会の殿堂入りの品種。

バタースコッチ R. ‘Butterscotch’

特徴：花色は黄・褐色から薄いベージュ色。半剣弁平咲き。花弁数30枚くらい。

系統：ラージフラワード・クライマー(LCL)

樹高：約3ｍまで

花期：春以降も秋まで適時開花する

樹形：－

その他：
・四季咲き性。大輪(約10cm)多花性。
・香りは中香。ティー系。
・アメリカで作出(1986年)。

・参考写真　全景(ハウステンボス。2022/5/6)

春霞（ハルガスミ）　R. ‘Harugasumi’

特徴：花色は淡いピンク色。半八重咲き。

系統：ラージフラワード・クライマー(LCl)

花期：－

その他：
・一季咲き性。中輪(約6cm)。強健。
・枝にトゲがない。
・別名：ピンク・サマー・スノー
・樹形はつる性。樹高～5ｍ。微香。
・ツルサマースノーの枝変わり品種。
・寺西菊男氏作出(1996)。

・参考写真　全景(ハウステンボス。2022/5/6)

ピエール・ドゥ・ロンサール R. ‘Pierre de Ronsard’

特徴：花色はクリーム色から中心に向かって、淡いピンク色を増す。カップ咲きからクォーター・ロゼット咲き。花弁数50枚くらい。

系統：ラージフラワード・クライマー(LCL)

樹高：約4ｍまで

花期：－

樹形：－

その他：
・一季咲き性(充実した株は秋まで返り咲きしやすい）。大輪(約12cm)多花性。花もちが良い。
・香りは微香。
・強健。うどん粉病、黒点病は普通。
・名は、「バラの詩人」と呼ばれた16世紀のフランスの詩人の名前に由来。
・フランスのメイアン社マリー・ルイーズ・メイアン氏が作出(1988年)。
・世界バラ会の殿堂入りの品種。

・参考写真　全景(ハウステンボス。2022/5/6)

つるピンキー R. ‘Pinkie, Cl.’

特徴：花色はピンク色。房咲き。

系統：クライミング・ポリアンサ系(ClPol)

樹高：～約2.5ｍ

花期：－

樹形：ブッシュ横張り性

その他：
・返り咲き。中輪。
・枝にほとんどトゲがない。
・香りは弱香。
・ピンキーの枝変わり。
・アメリカのE.P. Dering氏作出(1952年)。

・参考写真　全景(花菜ｶﾞｰﾃﾞﾝ。2014/5/18)

◇ランブラー型(R)

ノイバラ や テリハノイバラなどの原種を交配親とする品種群。小輪房咲きで一季咲きが多い。また大変よくつるが伸びて、花付きも良いのが特徴。

ヒアワサ　R. ‘Hiawatha’

特徴：花色はローズレッド色で中央が白く抜ける。一重房咲き。

系統：ランブラー(Ｒ)

花期：－

その他：
・一季咲き性。小輪(約3cm)多花性。強健。
・耐寒性、耐暑性に優れ、半陰地でもよく開花する。
・遅咲き。
・香りは微香。
・別名：ハイアワサ。
・アメリカでWalsh氏作出(1904年)。

・参考写真　全景(つくば植物園。2018/5/27)

フランソワ・ジュランヴィル　R. ‘François Juranville’

特徴：花色はコーラルピンク色。八重房咲き。

系統：ランブラー(Ｒ)

花期：－

その他：
・一季咲き性。中輪(約7～8cm)多花性。強健。香りは中香。耐陰性あり。
・樹高：～10ｍ程度
・ランブラーローズの中ではトゲが少ない。
・フランスでBarbier氏作出(1906年)。

・参考写真　全景(つくば植物園。2018/5/27)

ポールズ・ヒマラヤン・ムスク・ランブラー R. ‘Paul’s Himalayan Musk Rambler’

特徴：花色は淡いピンク色。半八重カップ咲き。房咲き。

系統：ランブラー(Ｒ)

樹高：約10ｍまで

花期：－

樹形：半横張り性

その他：
・一季咲き性。小輪(約3cm)多花性。
・香りは微香(ティー香)。
・強健。うどん粉病、黒点病は普通。
・交配：Rosa brunonii × ハイブリッド ムスク系の品種。
・イギリスのGeorge Paul Jr.氏作出(1916年)。
・1993年イギリスの王立園芸協会よりガーデン・メリット賞受賞。

モッコウバラ　Rosa banksiae

特徴：花色は黄花種のほか白花種がある。

系統：原種(Sp)

樹高：約6ｍまで

花期：４～５月

その他：

紹介ページはこちらへ。

◇シュラブ型(S)

すべてのつるバラの中で、どの系統にも入らないバラの系統。つるバラに近いものや半つる性のもの、木立性バラに近いものが含まれる。イングリッシュローズ（ER)は、ほとんどの品種がここに含まれる。

アルバ・セミプレナ R. ‘Alba Semi-plena’

特徴：花色は白色花弁に黄色の雄しべが目立つ。丸弁平咲き。半八重咲き。

系統：アルバ系(A)

樹高：～約2.5ｍ

花期：春

樹形：ブッシュ横張り性

その他：
・一季咲き性。中輪(約8cm)。強健。
・香りは中香。
・古代のアルバローズに最も近いといわれる。
・名画「ヴィーナスの誕生」に描かれたバラとされる。
・出自は不明(16世紀以前)。

ウェスターランド　R. ‘Westerland’

特徴：花色はコーラルオレンジ色。丸弁平咲き。房咲き。

系統：シュラブ(S)

花期：５月中旬～

その他：
・四季咲き性。中輪(約8cm)。強健。
・樹形はつる性。樹高～3.5ｍ。中香。花弁の端が柔らかく波打つ。
・ドイツでコルデス社作出(1969)。

・参考写真　全景(ハウステンボス。2022/5/6)

カーディナル ド リシュリュー R. ‘Cardinal de Richelieu’

特徴：花色は赤紫色。ポンポン咲き。房咲き。

系統：ガリカ系(G)

樹高：～約3ｍ

花期：春

樹形：半直立性

その他：
・一季咲き性。中輪(約6cm)。強健。
・香りは中香。ダマスク香。
・ベルギーにて作出といわれる(1847年以前)。

カクテル R. ‘Cocktail’

特徴：花色は赤色で、弁底が黄色。一重咲き。

樹高：約4.0ｍまで

花期：－

樹形：半つる性

その他：
・返り咲き性。中輪(約6cm)多花性。強健。生育旺盛。早咲き。
・アーチやフェンスなど、面的な利用に向く。
・香りは微香。
・別名：コクテール。。
・フランスのメイアン社作出(1957年)。

・参考写真　全景(花フェスタ記念公園。2019/5/19)

キャサリン ハロップ R. ‘Kathleen Harrop’

特徴：花色は薄ピンク色。丸弁カップ咲き。花弁は約20枚。

系統：ブルボン系(B)

樹高：～約3ｍ

花期：－

樹形：つる性

その他：
・返り咲き。中輪(約7cm)。
・香りは強香。
・枝にトゲが少ない。
・ゼフィリーヌドルーアンの枝変わり品種。
・イギリスのAlexander Dickson II氏作出(1919年)。

ケアフリー・ワンダー　R. ‘Carefree Wonder’

特徴：花色は濃い桃色に裏白。一重。丸弁平咲き。房咲き。

系統：シュラブ(S)・修景バラ

花期：－

その他：
・四季咲き性。中輪(約7cm)。強健。
・樹形は直立性～半直立性。樹高～1.0ｍ。微香。
・フランスのメイアン社作出(1993)。
・1991年ＡＡＲＳ受賞。

・参考写真　全景(相模原北公園。2022/8/22)

サハラ’９８　R. ‘Sahara’98’

特徴：花色は明黄色～オレンジ。丸弁平咲き。

系統：シュラブ(S)

花期：5～11月

その他：
・返り咲き性。中輪(約8cm)。強健。
・樹形はつる性。樹高～2.5ｍ。微香。
・ドイツのタンタウ社作出(1996)。

・参考写真　全景(ハウステンボス。2022/5/6)

サリー・ホームズ R. ‘Sally Holmes’

特徴：花色は白地に淡クリームイエロー、淡桃色がかる。一重咲き。

樹高：約2.0ｍまで

花期：－

樹形：半横張り性

その他：
・返り咲き性。中輪(約8cm)多花性。強健。生育旺盛。
・アーチやフェンスなど、面的な利用に向く。
・香りは微香。
・交配親は、バレリーナ。
・イギリスのHolmes氏作出(1976年)。

・参考写真　全景(花フェスタ記念公園。2019/5/19)

シャポー ドゥ ナポレオン R. ‘Chapeau de Napoleon’

特徴：花色は桃色。ロゼット咲き。

系統：ケンティフォリア系(C)もしくはモス系(M)

樹高：～約3ｍ

花期：春

樹形：－

その他：
・一季咲き性。中輪(約8cm)。
・香りは強香。ダマスク香。
・別名：クレステッド・モス
・モス系統(M)として分けられることも多い。
・フランスにて作出(1827年)。

シャルル・ドゥ・ミル R. ‘Charles de Mills’

特徴：花色は濃紅紫色。クォーターロゼット咲き。房咲き。

系統：ガリカ系(G)

樹高：～約2.5ｍ

花期：春

樹形：半直立性

その他：
・一季咲き性。中大輪(約9cm)。強健。
・香りは強香。ダマスク香。
・オランダにて作出ともいわれる(1746年以前)。

プリンセス・アレキサンドラ・オブ・ケント R. ‘Princess Alexandra of Kent’

特徴：花色はピンク色。ディープカップ咲き。

系統：イングリッシュローズ(ER)

樹高：約1.2ｍ

花期：－

樹形：シュラブ

その他：
・四季咲き性。大輪(約10cm)多花性。強健。
・香りは強い。ティー香、フルーツ香。
・耐病性に優れる。
・名前は、イギリスのエリザベス二世のいとこで、バラの愛好家のアレキサンドラ女王にちなむ。
・イギリスのデビッド・オースチン氏作出(2007年)。

ブルーボーイ R. ‘Blue Boy’

特徴：花色はラベンダーピンク色。丸弁ロゼット咲き。
樹高：約1.2ｍまで

花期：－

樹形：半横張り性

その他：
・四季咲き性。中輪(約6cm)多花性。強健。
・香りは中香。
・修景バラとして扱われる。
・オランダのインタープランツ社作出(2000年)。

バロン ジロード ラン R. ‘Baron Girod de L'Ain’

特徴：花色は濃いローズ色に白い縁取り。八重咲き。カップ咲き。

系統：ハイブリット・パーペチュアル系(HP)

樹高：～約2ｍ

花期：－

樹形：つる性

その他：
・返り咲き。中輪(約8cm)。強健。
・香りは強香。ダマスク香。
・別名バロン・アドルフ・ド・ロスチャイルド。
・フランスのReverchon氏作出(1897年)。

・参考写真　全景(花菜ｶﾞｰﾃﾞﾝ。2014/5/18)

フラウ カール ドルシュキ R. ‘Frau Karl Druschki ’

特徴：花色は白色。高芯剣弁咲き。

系統：ハイブリット・パーペチュアル系(HP)

樹高：～約4ｍ

花期：－

樹形：つる性

その他：
・返り咲き。中大輪(約8～10cm)。花つき良い。強健。花もちは良くない。
・別名スノークイーン、ホワイトアメリカンビューティー、不二。
・香りは微香。
・ドイツのP.Lambert氏作出(1901年)。

マイナウフォイアー/マイナーフェア　R. ‘Mainaufeuer’

特徴：花色は赤色。一重。円弁平咲き。房咲き。

系統：シュラブ(S)・修景バラ

花期：－

その他：
・四季咲き性。中輪(約7cm)。強健。
・樹形は横張性。樹高～0.8ｍ。微香。
・早咲き。
・施肥や花がら摘みをしなくても育ち、修景バラとして利用できる。
・交配親：White Max Graf ×Walzertrum
・ドイツでコルデス社作出(1990)。
・1992年JRC銅賞受賞。

・参考写真　全景(相模原北公園。2022/8/22)

ラベンダー・ドリーム　R. ‘Lavender Dream’

特徴：花色はラベンダーピンク色。半八重平咲き。房咲き。超多花性。

系統：シュラブ(S)・修景バラ

花期：－

その他：
・返り咲き性。小輪(約3cm)。強健。半陰地でも育つ。
・樹形は半横張り性。樹高～2.0ｍ。中香(フルーツ香ムスク香)。
・交配：Yesterday × Nastarana
・オランダのInterplant社作出(1984)。

・参考写真　全景(福岡市動植物園。2022/5/7)

ラベンダー・メイディランド R. ‘Butterscotch’

特徴：花色はラベンダーピンク色。丸弁カップ咲き。
樹高：約0.8ｍまで

花期：春～晩秋

樹形：半つる性

その他：
・四季咲き性。小輪(約4cm)多花性。強健。
・香りは微香。
・トゲは少ない。
・修景バラとして扱われる。
・フランスのメイアン社作出(2008年)。

・参考写真　全景(花フェスタ記念公園。2019/5/19)

レーヴ ドール R. ‘Reve d'Or’

特徴：花色はアプリコットイエロー色。剣弁高芯咲きからロゼット咲きに変化する。

系統：ノアゼット系(N)

樹高：～約3ｍ

花期：－

樹形：つる性

その他：
・返り咲き性。中輪(約7cm)。強健。
・香りは中香。ティー香。
・フランスのDucher.J.C氏作出(1869年)。

ロサ・カニナ　Rosa canina

特徴：花色は薄桃色～白色。

系統：原種(Sp)

樹高：1～5ｍ

花期：５～６月

その他：
・花径約5cm。一重咲き。一季咲き性。
・微香。
・ヨーロッパやアフリカ北西部、西アジアに自生。
・ヨーロッパでは古くから愛されてきた野バラで、接木用の台木としても利用される。