<きのこ図鑑>

ナラタケ 楢茸

Armillaria mellea
ナラタケ子実体
2009年11月11日 横浜市神奈川区
寄主はエノキ。

ナラタケ子実体
2009年11月11日 横浜市神奈川区
寄主はエノキ。

ナラタケによる倒木
2009年8月8日 横浜市神奈川区
倒木したエノキ

・サクラに発生したナラタケ事例(2020年10月31日。つくば植物園)
枯損木に発生傘上面柄と傘裏

分類

ハラタケ目キシメジ科ナラタケ属

生態

・子実体は一年生。
・分布は日本全国。
・発生時期は5~7月、晩秋。
・広葉樹(特にサクラ、ケヤキなど)と、針葉樹(ヒノキなど)の一部に発生する。
・根株辺材腐朽菌。白色腐朽菌。
・根元に黒色の針金状菌糸束(根状菌糸束)がつくことがある。
・被害木樹皮下に白色菌糸膜をつくる。
・病原性が強く、若木のほか、樹木の根が傷ついていたり等で弱った場合にかかりやすい。
・菌従属栄養植物のツチアケビやオニノヤガラと共生する。

形態(肉眼的)

・有柄。傘は淡褐色~茶褐色、円形で、中央に黒褐色の細かい鱗片が密生する。成熟すると、色が濃くなって鱗片は少なくなる。傘の縁に条線があり、褐色のしみができる。
・子実層托はヒダ状で、やや密。



形態(顕微鏡的)

・担子胞子は無色。広楕円形で厚壁、7~8.5×5~5.5μm。
・原菌糸はクランプがない。

備考

・最近の研究により、ナラタケは広義では10種類以上の種を含むものとされている。
・根状菌糸束や腐朽材が発光する。
・優れた食用キノコだが、多食は消化が悪いので注意が必要。
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