タブノキ 椨の木

Machilus thunbergii

暖温帯海岸林の主人公 indexへもどる
全景

2005年4月 神奈川県川崎市

2006年4月 神奈川県川崎市

2005年7月 神奈川県川崎市
樹皮

2018年5月27日
茨城県つくば市

2006年4月 神奈川県川崎市
分 類
高木
区 分 常緑広葉樹
科属 クスノキ科タブノキ属
別名と外国名 別名:イヌグス、タマグス/中国名:紅楠
自生地(原産地) 青森、岩手県以南~沖縄、朝鮮半島南部、台湾、中国大陸中南部/海岸沿い
樹 高 10~30m
開花期と結実期 花:4~5月/実:7~8月
特 性 日照は中庸樹~陽樹/生長はやや早い/耐潮性は強い/耐煙性は強い/耐暑性は強い/病虫害に強い/萌芽力あり/移植はやや困難
植栽域 東北中部~沖縄
美 性 直幹で整った球形の堂々たる大木になる。厚い革質の光沢のある葉は裏面がやや白みを帯びる。若葉は赤みを帯び、美しい。若木のころは、枝の生長が旺盛で樹形がやや乱れがち。クスノキより耐寒性があるため、宮城・山形・岩手南部の海岸地域でよく植栽される。
用 途 公園樹、庭園樹、街路樹
管 理 ・病虫害が少なく、管理は容易。
・乾燥した痩地では生長は芳しくない。

・病害:黒穂病、白藻病など。
・虫害:ホシベニカミキリなど。
類似種と品種 類似種:ホソバタブ(アオガシMachilus japonica)、クスノキヤブニッケイシロダモなど
文 化

・海岸付近の極相林の構成種のひとつ。
・常緑広葉樹の中ではクワガタムシが好む。
・実は野鳥が好んで食べ、食餌木となる。特に夏期では結実する樹種が少なく、夏の食餌木として重要。
・材は堅く、家具、建築、彫刻、楽器、パルブなど広く利用されている。
・樹皮はタンニンを含み、八丈島の特産品黄八丈の染料(褐色)として、また魚網の染色に用いられる。
・葉や樹皮に粘液があり、葉柄をちぎると糸を引いたようになる。乾かしてタブ粉とし、線香の材料として用いられる。

メ モ

・タブノキの林は、各個体の樹冠が一体となり、ひとつの巨大な木のように見えることがある。
・側枝が主軸よりも長く伸張する。(仮軸分枝)
・瀬戸内海沿岸部では少ない樹種であり、これは夏の乾燥が原因と考えられている。
・花は虫媒花で、動物により種子は散布される。
・繁殖は実生。雌雄同株。
・日本産樹木のうちでは、アボカド(ワニナシ属)にもっとも近縁とされる。

事例写真

芽だし(千葉県海浜幕張。2005/4/13)
外構植栽(東京都千代田区丸の内。2015/5/10)

・巨樹名木:「煤ケ谷のしばの大木」(神奈川県愛甲郡清川村)
・巨樹名木:「府馬の大クス」 ( 千葉県香取市)
・巨樹名木:「波崎の大タブ」 ( 茨城県鹿島郡波崎町 ) 樹高 15 m幹回り 824cm 県天

備 考  
参考文献
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