<植木の病害虫>

マツカレハ

Dendrolimus spectabilis

2007年6月30日 東京都目黒区
クロマツにいた幼虫




2008年10月29日 神奈川県横浜市
クロマツにいた幼虫

症状

マツ類、ヒマラヤスギ、カラマツなどの針葉を食害する。大発生すると、樹勢を損ない、枯損することがある。

生態と発生条件

・カレハガ科。別名マツケムシ。
・年1回発生(暖地では年2回)。成虫は7~8月に羽化する。幼虫は11月ころから樹皮の割れ目や林床にもぐり越冬。3~4月に樹上に戻り、6~7月に蛹化する。
・成虫は翅の開張が70~90mmで翅にまだら模様がある。終令幼虫は60mm ほどで大型。体毛は毒をもち、痛みや痒みを起こすので注意。
・分布は日本全国、朝鮮半島、中国、シベリア。

防除法

・10月ごろ樹幹にこもを巻き、その中に越冬幼虫を集めて処分する。(冬の間に行う)
・7~8月に卵塊の除去。
・9月ごろの幼虫の若齢期にディプテレックスやスミチオンなどの農薬を全体に散布。

備考

・こも巻きは、マツ類を激しく食害するマツカレハ幼虫の駆除を主な目的として実施されている。 一方、近年では当種による被害は激減傾向にあり、またヨコズナサシガメやクモ類などの益虫も含めて捕獲してしまうことも多いため、こも巻きの意義自体も薄れてきている。

2008年10月29日 神奈川県横浜市
クロマツについたまゆ

2011年10月2日 神奈川県横浜市
成虫(雄)

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