どんぐりは、縄文の昔から食料として利用されてきた。よく土器の底に炭化したどんぐりなどが見つかっている。
近頃では縄文クッキーと称して、どんぐりを使ったお菓子を作ったりする自然愛好家たちのグループも多いよう。
僕もそこで百聞は一見にしかず、最も食べやすいと言われるマテバシイのどんぐりで試してみた。
うまくいけば、食料の足しになるかも・・・。(2002.11実施)
※長野県大崎遺跡の約 6000 年前の住居跡から、直径3センチのクッキー状炭化物が発見されている。(朝日新聞)
マテバシイのとんぐり。他のどんぐりに比べると、大粒で食べがいがありそうに見える。
どんぐりの中でもスダジイやマテバシイは、苦味の成分であるタンニンの含有量が比較的少なく、生食も可能とされている。
なにせ大量になければボリューム出ないから、都会では大量に植栽されているマテバは格好の材料。
ただし、時期が遅すぎて、収穫はいまいち。川崎市生田緑地で拾いました。 ※どんぐり一粒の平均重量:シラカシおよそ 1.4 g、コナラおよそ 2 g、マテバシイ 3 g。(小山修三「縄文時代」中公新書) |
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殻むき 意外と硬いので、トンカチでひとつひとつ叩いて殻を取り除く。 中身に付いた薄皮を取るのが手間だったが、すりつぶしたあとの味の事を考えると、ここは頑張りどころと思い直し、丁寧に作業した。 ※コナラのどんぐりはシギゾウムシの幼虫に食害されやすく、乾燥に弱い。マテバシイには虫害は少なく、乾燥に比較的強い。 これはコナラの殻よりマテバシイの殻のほうが厚いということと、マテバシイの殻にはロウ状の被膜があるかららしい。(盛口満「どんぐりの謎」どうぶつ社) |
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実を煮る 鍋に水を入れどんぐりを煮る。茹で上がり。この状態でもとりあえず食べられるが、おいしくはないし、大量に食べたら嫌になる味だな。 この肌色がなんか嫌! |
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実をすり潰す すり鉢でひたすら擂りまくり。塊をなくすのがなかなか大変。 テレビでも見ながらやりましょう。 |
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生地をつくる 小麦粉(増量するため)、マーガリン、卵、砂糖を加えて混ぜ合わせる。風味付けにごまを少々。 |
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生地を整える オープントースターの皿にアルミホイルをひき、生地をスプーンで落とすようにして形を整える。 |
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出来上がり オープントースターで焼いて完成。出来もいまいちだった。主食への道は遠いなぁ。 ※どんぐりの栄養:照葉樹性と落葉樹性を問わず、デンプン質を多く含み、タンパク質や脂質もわずかに含んでいる。 成人一人当り一日に必要な熱量を 1800kcal とすると、どんぐり 1.5kg に相当する。 (松山利夫「木の実」法政大学出版局) |
あくまで、たくさん食べられる主食としてマテバシイのクッキーを作り、あえなく敗退したわけですが、
どんぐり風味を楽しむなら、生地の小麦粉やバターを増やしたり、
ナッツ感覚で食べられるスダジイ、
ほろにがくてモチモチしたシラカシをトッピングするなど、楽しみ方はいろいろありそうです。