スギ 杉

Cryptomeria japonica

キリリと伸び上がる樹姿は神々しい indexへもどる
全景

2004年4月
岐阜県根尾谷

2015年3月8日
東京都府中市
郷土の森公園

2005年6月
東京都調布市
神代植物公園
樹皮

2005年12月
福島県岩代町
分 類
高木
区 分 常緑針葉樹
科属 ヒノキ(旧スギ)科スギ属
別名と外国名 古名 :マキ/英名:Japanese Ceder
自生地(原産地) 本州(青森から)、四国、九州(屋久島まで)/日本固有
樹 高 20~50m
開花期と結実期 花:3~4月/実:10~11月
特 性 日照は陽樹~半陰樹/生長は速い/耐煙性は弱い/耐潮性は弱い/雌雄同株/深根性
植栽域 北海道南部~九州
美 性 造林用として最も重要な針葉樹。植林地や寺社境内などで最も目にする機会が多い樹である。幹が通直に直立して伸び、枝の張りが目立たず、円錐状によくまとまった樹形となり、集団になると統一美を感じさせる。冬になると、葉が赤く変色する。
用 途 ご神木、庭園樹、生垣
管 理 ・比較的容易であるが、乾燥するところは好まない。
・適潤の排水よく肥沃な壌土の所で生育がよい。したがって、生育の良い木は尾根や稜線より、谷筋に多い。
・潮風や大気汚染には弱く、強風の吹き抜ける場所や大都市では衰弱する。

・病害:こぶ病、赤枯れ性溝腐れ病、非赤枯れ性溝腐れ病(サンブスギ)など
・虫害:スギノハダニ、スギドクガ、スギカミキリなど
類似種と品種 品種:エンコウスギヨレスギ、クサリスギ、メジロスギ、セッカンスギ、ビロードスギ、‘グロボーサ’など。また、林業的には地域的な品種が多く知られる。
文 化

・建築材として重要な樹種。日本の人工林で最も多い。また神社仏閣の参道や街道筋などにしばしば並木状に植えられ、神木として信仰されている名木も多い。
・花粉症の原因のひとつとして問題化している。
・材は縦に割り易く、加工しやすいことから、古くから用材として利用された。縄文時代の鳥浜遺跡(福井県)から、スギ材で作られた丸太舟が見つかっている。また、弥生時代の登呂遺跡の水田跡地では畔の土留に用いられていた。
・材は住宅用材始め、広汎に利用される。樹皮は屋根葺き材。材が酒樽にも使用されることからか、枝葉は杉玉として酒屋の軒下に吊るされる。古い葉はタブノキの葉や樹皮と共に、線香の原料となる。

メ モ

・スギには名木老樹が多く、日本では最も高くなる樹種。屋久島の縄文スギ、千葉県清澄の大杉、高知県日本一の大杉、福島県杉沢の大杉などが有名。
・日本の風景として大きな要素をなすが、その花粉による健康への害はこの木のイメージを著しく損なっている。近年では花粉量の少ない林業品種の改良が行なわれている。
・特殊な仕立て方をしたもので、台杉と呼ばれるものがある。1本の株から数本の幹を出させ、その樹姿の妙を造園的には鑑賞するが、本来は磨き丸太を仕上げるための仕立て方だった。
・花芽をつけるのに樹齢20年以上かかる。

事例写真 車道沿いの並木(青森県弘前市 禅林寺街。2011/4/18)
花粉(径30~40μm。表面に1箇所突起がある。神奈川県小田原市産。2012/3/6)

・巨樹名木:傘杉(愛知県新城市)
・巨樹名木:清澄の大杉(千葉県天津小湊町)
・巨樹名木:中川の箒杉(神奈川県山北町)

・名所:日光杉並木(栃木県日光市)
備 考  
参考文献
「樹に咲く花合弁花・単子葉・裸子植物③」山と渓谷社
「樹木アートブック」アボック社
「日本の樹木」辻井達一 中央公論社
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