イロハモミジ いろは紅葉

Acer palmatum

代表的な紅葉。和風の趣をかもし出す。 indexへもどる
全景

2002年11月18日 神奈川県川崎市
生田緑地

2005年4月16日
東京都足立区

2015年4月19日
神奈川県小田原市
紅葉 樹皮

2005年4月16日
東京都足立区

2005年5月
東京都文京区
分 類
高木
区 分 落葉広葉樹
科属 ムクロジ科カエデ属(旧カエデ科)
別名と外国名 別名:タカオモミジ、イロハカエデ/英名:Japanese maple
自生地(原産地) 福島以南、四国、九州、朝鮮半島、中国、台湾/平地や低地の森林
樹 高 5~10m
開花期と結実期 花:4~5月/実:7~9月
特 性 日照は中庸~陰樹(西日を嫌う)/生長は早い/耐潮性は弱い/耐煙性は弱い/移植容易/萌芽力あり/深根性
植栽域 東北南部~九州
美 性 秋の紅葉が大変美しく、葉は掌状に5~7裂に分かれる。最も代表的なカエデである。枝は四方へと斜上し、樹姿に優雅な趣があり、和風庭園には欠かせない。葉は光を通しやすく、木漏れ日が美しい。新緑、紅葉時は特にその特徴が際だつ。樹姿、葉、花、実それぞれに独特の魅力がある。
用 途 庭木、公園樹、生垣
管 理 ・繊細な枝振りを鑑賞したい樹木のため、枝透かしを中心に12~1月に行なう。

・虫害:アブラムシ類(モミジニタイケアブラムシ等)、カミキリムシ類、イラガ類など。
・病害:うどんこ病、首垂細菌病、黒紋病、小黒紋病、粗皮病、胴枯病など。
類似種と品種

類似種:オオモミジ(A.amoenum)、ヤマモミジ(A.amoenum var. matsumurae。イロハモミジの変種とされることもある)など
園芸品種:ノムラモミジ(‘野村’)ベニシダレなど。モミジ栽培品種図鑑はこちら

文 化 ・名の由来は、掌状に分かれた葉の先を「いろはにほへと・・・」と数えたことから。
・用材として、建築材、器具材、楽器材など。
・イロハモミジの色づくカエデ前線は、9月上旬に北海道大雪山から、平地では10月釧路をスタートする。
識別ポイント

・類似種に、オオモミジやその変種であるヤマモミジがある。
・そもそもの自生地が異なり、イロハモミジは太平洋側の主に暖温帯、オオモミジは太平洋側の温帯、ヤマモミジは日本海側に自生する。
・形態的には、
オオモミジは鋸歯が細かく(単鋸歯)、葉が6~12cmとやや大きい(イロハモミジの葉身は4~7cm)。裂片が幅広いものもある。翼果は葉の下に垂れ下がるようにつく(イロハモミジの翼果はやや上向きで、翼がほぼ水平につく)。など。
ヤマモミジは鋸歯が細かく(重鋸歯)、葉が5~10cmとやや大きい。裂片が9裂する葉もあり(イロハモミジは5~7裂が多い)、幅広の物もある。樹形は株立しやすい。翼果は葉の下に垂れ下がるようにつき、翼はやや鋭角~鈍角。など。

メ モ ・乾燥しがちな都市的な環境では、美しい紅葉が見られないことが多い。
・雌雄同株
事例写真 翼果(東京都調布市。深代植物公園。2005/5/8)
新緑の全景(東京都立川市。昭和記念公園。2004/5)
新緑の全景(東京都足立区。都市農業公園。2005/4/16)
新緑の枝先(神奈川県小田原市。2015/4/19)

・巨樹名木「中釜戸のシダレモミジ」(福島県いわき市。こぶが隆起し、ねじれまわった樹幹が異形のモミジ。昭和12年、国の天然記念物に指定。)
備 考  
参考文献
「NHK趣味の園芸 カエデ・モミジ」川原田邦彦/NHK出版
「NHK趣味の園芸 モミジ」妻鹿加年雄/NHK出版
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