アカマツ 赤松

Pinus densiflora

日本の風景を形成する山の松 indexへもどる
全景

2005年5月
東京都調布市
神代植物公園

2005年4月22日
東京都世田谷区

2005年7月
東京都調布市
神代植物公園
樹皮

2005年5月 東京都調布市
神代植物公園
分 類
高木
区 分
常緑針葉樹
科属 マツ科マツ属
別名と外国名 別名:メマツ、オンナマツ/英名:Japanese red pine
自生地(原産地) 北海道西南部~九州、朝鮮、中国東北部/山地の尾根筋など
樹 高 20~25m
開花期と結実期 花:4~5月/実:翌秋
特 性 日照は極陽樹/水はけのよい乾燥地を好む/生長は速い/移植困難/耐煙性はやや弱い/耐潮性はやや弱い
植栽域 北海道南部~九州
美 性 赤褐色の樹皮が赤く、空間を明るくするのが特徴。老木の樹形は傘状で、全体にクロマツよりおだやかな姿をしており、自然に整った樹形となる。大木になる。日本庭園など和風の空間には必ず利用される樹木である。また、かつては雑木類と並んで、郷土の景観を構成する樹木として古くから親しまれてきたと言える。
用 途 公園樹、庭園樹、盆栽、建築材
管 理

・仕立てられた庭木の手入れは、5月の「みどり摘み」と11月下旬から12月の「もみ上げ(古葉取り)」の年2回行なわれることが一般的。どちらもマツ類特有の手間のかかる作業になり、手入れに費用がかかる木とされる。(葉がある程度、自然に落ちるため、クロマツより葉もみは軽くて済む)
・剪定に刃物は用いることは望ましくない。
・土壌は粘性土を避け砂壌土を好み、過湿を嫌う。もともと痩地に耐えるため、肥料のやり過ぎは根と共生する菌類の衰退を招き、長期的には樹勢を損なうことがある。

・病害:松枯れ病(マツノザイゼンチュウ病)、葉ふるい病、すす葉枯病、褐斑葉枯病、赤斑葉枯病、こぶ病、葉さび病など
・虫害:マツカレハ、ハバチ類、アブラムシ類、ハダニ類、カイガラムシ類、シンクイムシ類など

・農薬散布は薬害を受けやすい樹種のため、注意が必要。

類似種と品種 類似種:クロマツ/品種:タギョウショウ(多行松)ジャノメアカマツシダレアカマツ
文 化

・岡山県と山口県の県木。
・花言葉:「不老長寿」「勇敢」など。
・長寿につながる縁起の良い木の代表として、日本では「松竹梅」が挙げられる。

・健全林ではマツタケのほか、多くの食用キノコが発生する。戦後、社会構造の変化からアカマツ林の多くは放置され、キノコの発生は減少している。
・葉は松葉酒として薬用にされる。
・材は松脂を含み、火力が強いことから薪材として利用された。用材としても重厚で強いことから、建築材、土木材、バルプ原料など広く利用される。

識別ポイント

・2葉の松は本種とクロマツがあるが、クロマツは葉が堅く触ると痛いのに対して、本種はそれほどでもない。また、クロマツは枝先の芽が白っぽいが、本種は赤っぽい。

メ モ ・アカマツは海岸付近では本来、生育しにくいが、宮城県松島の松林は本種が多い。
・老木の樹形は傘状だが、若木は枝が輪生し、円錐状になる。
・クロマツに比べ、耐寒性が強く、北海道でも植林樹種とされている。
・繁殖は実生(9~10月ごろ採取)、接木。
事例写真

・巨樹名木:萬休院の舞鶴松(山梨県北杜市)
・巨樹名木:横手の駒の松(山梨県北杜市)
・巨樹名木:遠照寺のアカマツ(山梨県北杜市)
・巨樹名木:東法田のアカマツ(山形県最上町)

・名所:気比の松原(福井県敦賀市。2016/8)

こも巻き(東京都世田谷区。蘆花恒春園。2008/12)
根系(主根が発達。茨城県つくば市筑波実験植物園。2010/11/3) 

備 考  
参考文献
「松保護士の手引き」(財)日本緑化センター
「緑化樹木の生産技術第3集」(財)日本緑化センター
PAGE TOPへもどる
indexへもどる
HOMEへもどる