クロマツ 黒松

Pinus Thunbergii Parl.

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全景 新芽

2005年4月
東京都調布市
神代植物公園

東京都調布市

2005年7月
東京都調布市
樹皮

2005年4月

2005年7月
東京都調布市
分 類
高木
区 分 常緑針葉樹
科属 マツ科マツ属
別名と外国名 別名:オマツ、オトコマツ/英名:Japanese brack pine/中国名:黒松
自生地(原産地) 本州~九州、朝鮮南部
樹 高 10~25m
開花期と結実期 花:5月/実:10~11月
特 性 日照は極陽樹/乾燥地を好む/生長は速い/耐煙性はやや弱い/耐潮性は強い/萌芽力なし
植栽域 北海道南部~九州
美 性 樹形は不整形で、規格を揃えることは難しい。幹は黒灰色で、成木では亀甲状に深く割れる。葉はアカマツに比べ堅く樹皮が黒っぽいので黒松といわれ、老木では亀甲状に割れる。針葉はアカマツより太く、先は尖り触ると痛い。風格があり、無骨でたくましい印象がある。日本庭園で主木としてよく利用されるほか、海岸砂防林や防風林として各地で植栽されている。
用 途 公園樹、庭園樹、盆栽、建築材
管 理 ・仕立物は、マツ特有の手入れがあり、剪定管理に大変手間がかかる樹。
・庭木としての樹形を仕立てるには、剪定のほかに、みどり摘みや葉刈りといったマツ特有の管理方法がある。
・剪定適期は11~2月。みどり摘みは6月ごろ、葉刈りは11~2月ごろ。
・土壌は砂壌土を好み、過湿を嫌う。もともと痩地に耐えるため、肥料のやり過ぎは根と共生する菌類の衰退を招き、長期的には樹勢を損なうことがある。

・病害:松枯れ病(マツノザイゼンチュウ病)、葉ふるい病、褐斑葉枯病、赤斑葉枯病、こぶ病、葉さび病など
・虫害:マツカレハ、アブラムシ類、ハダニ類、カイガラムシ類、シンクイムシ類など
・全国に蔓延する「松枯れ病」には特に注意が必要。 周辺に罹病木が出現したら、早急に予防措置をとるほうがよい。
・除草や病虫害除去に際して、農薬散布は薬害を受けやすいため、注意が必要。
類似種と品種 類似種:アカマツ/園芸品種:ニシキマツ(主として盆栽利用)、三河黒松、鹿嶋黒松など
文 化

・群馬県と島根県の県木。
・島根県松江地方では、防風のための高生垣として屋敷周りに植栽し、「築地松」として知られている。
・材は、建築・器具材として利用される。

識別ポイント

・2葉の松は本種とアカマツがあり、本種は葉が堅く触ると痛いのに対して、アカマツはそれほどでもない。また、本種は枝先の芽が白っぽいが、アカマツは赤っぽい。

メ モ ・潮風に最も耐えられる樹。
・繁殖は実生(10中~11月ごろ採取)、接木。
事例写真

・巨樹名木:影向(ようごう)の松(樹高8m、幹回り4.6m。枝張面積では日本一。都指定天然記念物。東京都江戸川区。)
・巨樹名木:小田原城跡の巨マツ(神奈川県小田原市)
・巨樹名木:村雨の松(新潟県佐渡市)

・名所:御油の松並木(愛知県豊川市。2014/11/29)
・名所:大磯の松並木(神奈川県大磯町。2014/)
・名所:三保の松原(静岡県静岡市清水区。2016/1)
・名所:気比の松原(福井県敦賀市。2016/8)
・名所:虹の松原(佐賀県唐津市)

築地松(島根県出雲市出雲文化伝承館。2009/9/24)
海岸林(神奈川県横浜市金沢区。2010/3/21)
葉の断面(樹脂道が葉肉内にある。横浜市緑区。2011/11/06)

備 考  
参考文献
「松保護士の手引き」(財)日本緑化センター
「緑化樹木の生産技術第3集」(財)日本緑化センター
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