バラ(ガーデンローズ) 薔薇

Rosa spp.

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全景

2018年11月4日
神奈川県川崎市
生田緑地ばら苑
`クィーン・エリザベス’ HT

2014年5月18日
神奈川県平塚市
花菜ガーデン
`クィーン・エリザベス’

2018年6月17日
神奈川県平塚市
花菜ガーデン
`ラ・フランス’
樹皮
準備中
2018年11月4日
神奈川県川崎市
生田緑地ばら苑
`イングリッド・バークマン’
分 類 低木 区 分 落葉広葉樹
科属 バラ科バラ属
別名と外国名 別名:- /英名:rose
自生地(原産地) 園芸品種。野生種は北半球にのみ自生し、約150種。
樹 高 -(品種による)
開花期と結実期 花:5月上旬~11月(品種による)
特 性 陽樹から半陽樹/耐寒性はやや強い/耐暑性は強い(品種による)
植栽域 北海道南部~沖縄
美 性 バラはバラ属植物の総称。華麗で多彩な花色、花形をもち、古代ペルシャの時代にさかのぼる程の歴史をもち、最も愛され続けた花のひとつ。大まかには原種オールドローズモダンローズの3系統に分類される。また樹形から、木立性、半つる性、つる性に大別される。現在でも育種は盛んに行われ、より鑑賞価値があり丈夫な品種がつくられ続けている。
用 途 庭木、公園樹、コンテナ
管 理 ・自立するバラ(木立性、半つる性)の管理
冬季に、施肥(寒肥)のほか、草丈の半分以下に切り戻し、春先に再度、傷んだ枝の切戻しや芽かきをする。 開花中は花がら切り(若枝の切戻し)を適宜行なうというのが大まかな作業内容になる。
施肥は、固形肥料(寒肥)のほか、液肥(生育期、1~2週間に1回)を状況に応じて与える。
・植付時期は、春苗で4月中旬~6月、大苗で11~2月が適期。

・病害:うどん粉病、灰色かび病、黒星病、根頭がんしゅ病、ネコブセンチュウ病、白紋羽病など
・虫害:アブラムシ類、チュウレンジハバチ、アザミウマ類、ヨトウムシ類、ハダニ類、ゾウムシ類、カミキリムシ類、ハムシ類(ルリマルノミハムシ等)など
類似種と品種

◆原種:8~9種の野生種が元になったとされる。

園芸品種:厳密な区分は困難。
◇オールドローズ
木立性(ブッシュ)バラ(一部)/つる性(つるバラ)(大半)
ガリカ(G)、ダマスク(D)、アルバ(A)、センティフォリア(C)、ブルボン(B)、ランブラー(R)など。

◇モダンローズ
木立性(ブッシュ)バラ/つる性(つるバラ):(ハイブリッド・ティー(HT)、 フロリバンダ(FL)、ミニチュア(Min)、イングリッシュ・ローズ(ER))など。

バラ品種図鑑
バラ品種図鑑50音総索引
「殿堂入りのバラ」リスト
「殿堂入りのオールドローズ」リスト

文 化

・ヨーロッパでは古くから、愛と美の象徴として、古代ギリシャの女神アフロディテに捧げられていた。
・紀元前6世紀までには、ギリシャやローマで栽培され、ローマ皇帝ネロ、エジプトのクレオパトラらが、ふんだんにバラの花を部屋に敷き詰めるなどして楽しだとされる。
・白バラはムハンマド、赤バラは絶対神アッラーを表わすものとされ、イスラム世界にとっても特別の花として扱われた。
・1455年ごろ、イギリスでランカスター家とヨーク家の、30年に及ぶ権力闘争は起こり、両家のシンボルがそれぞれ赤バラ、白バラを紋章としていたため、「バラ戦争」と呼ばれる。
・フランス皇帝ナポレオンの皇后ジョセフィーヌ妃はバラを大変好み、1802年にマルメゾン離宮にバラ園を作り、世界から集めた約250種にのぼるバラを栽培した。そのコレクションは、画家ルドゥーテの「バラ図譜」に記載され、園芸家デュポンによる人工交配(人工授粉)による育種技術の確立につながっていく。

・1867年にフランスの育種家ギヨーが、最初のモダンローズ‘ラ・フランス'を作出する。このバラの誕生以前のバラを「オールド・ローズ」、以降のばらを「モダン・ローズ」と一般的に区別される。
・1900年、ペルネ-デュッセが、初の黄色四季咲きバラを作出した。
・1912年、デンマークのポールセンが、後にフロリバンダ(アメリカで命名)と呼ばれるようになった四季咲き中輪花を作出した。

・品種改良に使用された原種のうち3種類(ノイバラテリハノイバラハマナス)は日本原産。
・観賞用のほか、香料としても利用される。

・日本では江戸時代までは、中国から渡来した種が栽培されていたものの、西洋のバラは普及していなかった。明治に入ってから、アメリカからの輸入がまず始まり、徐々に知られるようになる。
・日本でバラの品種改良が本格的になったのは、第二次大戦後から。現在の京成バラ園芸株式会社の初代研究所所長でもあった鈴木省三氏(1913~2000)は、「ミスターローズ」と呼ばれた世界的なバラの育種家で、新品種を多く発表するほか、その普及に努めて、日本のバラの父と言われる。

「殿堂入りのバラ」は、世界バラ会連合(本部はロンドン。世界37カ国のバラ会が加盟)が「世界中で愛されている名花」に相応しい品種を3年ごとに選出している。
・地域のシンボルとされているところが多く、イギリス、イラン、サウジアラビアほかの国花とされている。また、茨城県の県花、横浜市ほかの市の花として指定されている。

メ モ ・繁殖は播種、接木、挿木。
・接木の台木にはノイバラが利用される。ヨーロッパではロサ・カニナ
事例写真

・名所:花フェスタ記念公園(岐阜県)
・名所:京成バラ園(千葉県)
・名所:生田緑地ばら苑(神奈川県)
・名所:横浜イングリッシュガーデン(神奈川県)
・名所:花菜ガーデン(神奈川県)
・名所:福山市バラ公園(広島県)
・名所:神代植物公園ばら園(東京都)
・名所:佐倉草ぶえの丘バラ園(千葉県)
・名所:アカオハーブ&ローズガーデン(静岡県)
・名所:ハウステンボス(長崎県)
など

備 考  

参考文献
「バラ大百科」上田義弘、河合伸志監修,NHK出版ほか
「決定版バラ図鑑」寺西菊雄、前野義博、村田春夫、小山内健編,講談社
「NHK趣味の園芸 バラ ハイブリッドティーとフロリバンダ」藤岡友宏,NHK出版
「NHK趣味の園芸 つるバラ」村田春夫,NHK出版
「バラの誕生」大場秀章,中央公論社,1997
「美しく病気に強いバラ」河合伸志監修,NHK出版,2009 ほか

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