シラカシ 白樫

Quercus myrsinaefolia

関東の家や畑を守り続けた樹 indexへもどる
全景

2005年5月 東京都品川区

2015年5月6日
横浜市港北区
大塚・歳勝土遺跡公園

2005年4月
東京都調布市
神代植物公園
樹皮


2016年11月21日
横浜市都筑区


2005年4月
東京都調布市
神代植物公園
分 類
高木
区 分 常緑広葉樹
科属 ブナ科コナラ属
別名と外国名 別名:クロガシ、ホソバガシ/英名:bamboo-leafedoak、japanese white oak
自生地(原産地) 福島・新潟県以西、四国、九州、済州島、中国
樹 高 10~20m
開花期と結実期

花:5月/実:11~12月

特 性 日照は中庸樹~陰樹(成木後は陽樹)/生長は速い/耐潮性は強い/浅根性/萌芽力あり/雌雄同株/移植はやや困難
植栽域 東北中部~九州
美 性 幹はまっすぐに伸び、大きいものは20mにも達する。樹皮が灰黒色をしていることからクロカシとも呼ばれる。4~5月ころ若葉とともに尾状の花序をつけ、庭木としてはこのころが最もみずみずしく美しい。 葉は細長く、ツヤのあるグリーンで、軽やかな雰囲気がある。秋にはドングリをつける。 特に関東では昔から家の高垣や庭木として植えられてきた、郷土の樹木。
用 途 公園樹、庭園樹、街路樹、生垣
管 理 ・自然樹形を鑑賞する場合は、3月~4月に不要な枝を抜く程度。

・病虫害が少なく、管理は比較的容易。
・病害:ナラ・カシ類萎凋病(ナラ枯れ病)、すす病、うどんこ病、紫かび病、ビロード病、褐斑病、白斑病など
・虫害:カイガラムシ類、アブラムシ類(クリオオアブラムシほか)、カシフシダニなど
類似種と品種 類似種:アラカシウラジロガシ
文 化

・北関東における防風垣の代表的樹木。関東ではカシは本種を指すことが多い。
・和名は、材の色がアカガシに比べて白いため。
・樹皮が灰黒色をしていることからクロカシとも呼ばれる。

・材はカシ類で最も良質で、利用は多岐に渡り、器具材・建築材・船舶材・シイタケ原木などに利用される。

識別ポイント

・カシの中では細めの葉をもつ。ウラジロガシに似るが、ウラジロガシは①葉裏がより白っぽく、②葉縁が波打つことで区別される。

メ モ

・樹皮は平滑なものと細かい凹凸のあるものがみられるが、ざらつくような凹凸のあるものは虫害の影響であり、都市部に多く見られる傾向がある。
・カシの仲間では最も耐寒性がある。
・繁殖は実生、挿木。
・関東内陸の潜在植生であるシラカシの自然林は一部社寺林などに残るほか、見ることが難しい。 神奈川県川崎市の東高根のシラカシ林は比較的良好な状態で残されているとして、県指定の天然記念物となっている。

事例写真

街路樹(千葉県印西市。2010/11/10)
卵形樹形の独立木(横浜市栄区。2011/3/10)
武蔵野の防風林イメージ(東京都小平市小平ふるさと村。2015/5/27)
新葉期の単独木新葉の枝先(横浜市港南区日野中央公園。2015/5/22)
未熟な実(埼玉県戸田市。2005/11)

備 考  
参考文献
「花と樹の図鑑」柏書房
PAGE TOPへもどる
indexへもどる
HOMEへもどる