ヤブツバキ 藪椿

Camellia japonica

万葉の昔から親しまれてきた常緑花木 indexへもどる
全景

2020年3月18日
横浜市青葉区
2005年2月20日
千葉県鋸南市
鋸山
2005年2月20日
千葉県鋸南市
鋸山
樹皮
2005年9月
東京都世田谷区
2005年5月
東京都調布市
神代植物公園
分 類
高木
区 分 常緑広葉樹
科属 ツバキ科ツバキ属
別名と外国名 別名:ヤマツバキ、カタシ/英名:Camellia/中国名:山茶
自生地(原産地) 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮半島、中国(山東省)
樹 高 5~20m
開花期と結実期 花:2~4月(品種によっては11月~)/実:10月
特 性 日照は陽地~半陰地/適度な湿気のある肥沃地/生長は遅い/耐寒性は強い/耐暑性は普通/耐潮性は強い/耐煙性は強い/萌芽力あり/酸性(pH4.5~6.0)を好む
植栽域 本州の暖地~沖縄
美 性 古来より愛でられてきた日本を代表する常緑の花木。普通は筒状の赤花をつけ、樹形は不整形。花の少ない時期に長い間開花を楽しめ、彩りを添える貴重な花木。花の紅と葉の深緑の艶により万葉の昔から親しまれてきた資源としても有用な植物。近年はチャドクガが発生しやすいことから敬遠されることも多い。
用 途 公園樹、庭園樹、生垣
管 理

・放任すると樹形が乱れやすいので、花後、徒長枝など樹形を乱す枝を剪定する。
・根元が乾燥すると衰弱し、葉の色が薄くなって葉の密度が薄くなる。

・病害:すす病、炭疸病、ペスタロチア病、白藻病、小黒脂病、花腐れ菌核病、もち病、白紋羽病など
・虫害:チャドクガ、アブラムシ類(チャノアブラムシなど)、カイガラムシ類、ヨコバイ類(チャノミドリヒメヨコバイなど)、アザミウマ類、ハマキムシ類(チャノホソガ、チャハマキ、コカクモンハマキなど)、ツバキサルハムシ、ツバキコナジラミ、カンザワハダニなど

類似種と品種 類似種:サザンカ、ユキツバキ、リンゴツバキ(ヤクシマツバキ)/園芸品種:多彩な品種が知られ、5000種以上とも言われる。

ツバキ園芸品種図鑑はこちら
ツバキ品種図鑑50音総索引はこちら
文 化

・名の由来は、葉の形態から「厚葉木」からとされるほか、ツヤツヤするという意味の「津葉木」によるという説などがある。
・種子はオレイン酸などの油分を含み、しぼった油が調髪用の椿油として利用される。
・伊豆大島のヤブツバキはツバキ油の原料として有名。
・材は堅く緻密。器具材として利用。灰は漆器研磨や草木染の媒染剤として用いられる。
・薪炭材としても優れている。
・福井県三方五湖の縄文遺跡からツバキの材を利用した斧の柄や櫛も発見されている。
・花が落ちるときに花弁と雄しべが一緒に落ちることを、武士の首が落ちる様に見立て忌み嫌う風習がある一方、「潔い」として評価されることもある。
・栽培は室町時代に茶の湯の起こりとともに、武士階級で流行したのち、江戸時代には庶民にも広がっていった。
・ヨーロッパへは17世紀、イエズス会の宣教師やポルトガル商人だとされ、またスウェーデンの博物学者カール・ツンベルクが1779年に帰国する際に、ヤブツバキの苗木4本を持ち帰り、広められた。1本はドイツのピルニッツ宮殿に現存するが、他は枯死している。
・シーボルトが「日本植物誌」(1835年)で「冬のバラ」と紹介してから、ヨーロッパでは花木の貴族と称賛され、ツバキブームを引き起こした。
・ツバキの愛好家団体として、「日本ツバキ協会」(1954年設立)があり、国際的な団体として「国際ツバキ協会」がある。
・新潟県、長崎県の県木。

メ モ

・花の基部に蜜を分泌するところがあり、ヒヨドリ、メジロなどが来る鳥媒花。そのため、花は丈夫な構造となっている。園芸品種は蜜の量が少なく、鳥の利用は少なくなる。
・繁殖は挿木、実生(園芸品種は実つきが悪い)、接木。
・花つきの良否は、①日光不足、②剪定時期が不適当、③過度の強剪定、④窒素分の過剰などが挙げられる。
・国指定天然記念物(ツバキ自生北限地帯):青森県平内町の椿山、秋田県男鹿市の能登山
・東アジアから東南アジア、ヒマラヤにかけて分布するツバキの仲間は、およそ250種とも言われる。

事例写真

老樹(宮城県大崎市旧有備館庭園。2008/5/5)
根系標本(東京都伊豆大島 椿資料館。2014/3/1)

備 考  
参考文献
「花と樹の図鑑」柏書房
「ツバキ、サザンカ」日本ツバキ協会編,NHK出版
「色分け花図鑑 椿」桐野秋豊著,学研研究社,2005
「最新日本ツバキ図鑑」日本ツバキ協会編,誠文堂新光社,2010.1
「日本ツバキ・サザンカ名鑑」,日本ツバキ協会編,誠文堂新光社,2001.4
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