ヤマザクラ 山桜

Prunus jamasakura Sieb. et Zucc.

古来より親しまれた味わいのある桜 indexへもどる
  
全景

2006年4月9日
東京都立川市

2006年4月9日
東京都立川市

2023年4月16日
東京都練馬区
樹皮

2023年5月27日
東京都調布市

2007年4月
東京都小金井市
分 類
高木
区 分 落葉広葉樹
科属 バラ科サクラ属
別名と外国名 別名:シロヤマザクラ、カバザクラ/中国名:桜桃
自生地(原産地)

宮城、新潟県以西、四国、九州

樹 高 10m
開花期と結実期 花:3月下旬~4月中旬/実:5~6月
特 性 日照は陽樹/生育が早い/耐暑性は強い/耐煙性は弱い/耐潮性はやや弱い/移植はやや困難
植栽域 東北中部以南、四国、九州
美 性 古来より日本人に親しまれてきたサクラ。ソメイヨシノの開花に少し遅れて、花と葉が同時に出る。実生繁殖が多く、新芽や花色(白~薄紅色)に変化があり、個体ごとに異なる。ソメイヨシノのような華やかさには欠けるが、気品と趣があるサクラである。秋の紅葉も美しい。
用 途 庭園樹、公園樹、街路樹
管 理 てんぐ巣病、コスカシバの食害が多い。
・強剪定はなるべく控える。太い枝を切る場合は切り口から腐りが入りやすいので、 癒合材を塗るなどして保護する。
・浅根性のため、根元を踏み固めないこと。
類似種と品種 類似種:ソメイヨシノオオシマザクラオオヤマザクラ園芸品種:‘佐野桜'‘兼六園熊谷'など。

サクラ図鑑50音総索引はこちら
文 化 ・ソメイヨシノが広まる明治時代まではサクラの代表種であった。
・「敷島のやまと心を人問はばあさひににほふ山桜花」(本居宣長)は本種を詠んだ歌として有名。
・材は赤褐色で緻密で、芳香があり、建築材、家具材、器具材などに用いられる。
・古くは浮世絵の版木に利用。現在も本格的な版木に利用されている。
・秋田県角館市は、本種の樹皮を用いた「樺細工」の工芸品で有名。
・名所:奈良県吉野山、茨城県桜川、東京都小金井公園、京都府嵐山など。
メ モ  
事例写真

山中の自生状況(2006年4月8日千葉県君津市)

・巨樹名木:「狩宿の下馬ザクラ」(静岡県富士宮市)

備 考  
参考文献
「日本の桜」川崎哲也,山と渓谷社,1993
「新日本の桜」大場、川崎、田中,山と渓谷社,2007
「サクラ100選」ニュー・サイエンス社
「サクラハンドブック」大原隆明,文一総合出版,2009
「日本の桜」勝木俊雄,学習研究者,2002
「桜」勝木俊雄,岩波書店,2015
「サクラ保存林ガイド―DNA・形質・履歴による系統保存―」吉丸博志・勝木俊雄・岩本宏二郎,森林総合研究所多摩森林科学園,2014
「さくら百科」永田洋,丸善,2010
「桜の樹木学」近田文弘,技術評論社,2016
「チェリー・イングラム」阿部菜穂子,岩波書店,2016 ほか
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